ターヤン工法
技術の概要
ターヤン工法は,既設マンホールとマンホールライニング材、結合板、充てん材が構造的に一体となって複合マンホールを形成する更生工法です。
施工は老朽化したマンホールを洗浄後、人孔内面にプライマーを塗布し、形状に合わせて加工したスペーサー付結合板をマンホール壁面に取り付け、その内側に熱硬化性樹脂を含浸させたマンホールライニング材をマンホールに挿入します。
マンホールライニング材を空気圧により膨らませた後、温水を満水状態にて循環させ熱硬化させます。
マンホールライニング材硬化後、管口とインバート部の切断を行い、既設マンホールと結合板の間に充てん材を注入し、マンホールライニング材と既設マンホール内面を結合させます。
本技術は、マンホールライニング材と既設マンホール内壁を結合板および充てん材で結合させることにより、複合マンホールを形成し、老朽化したマンホールを更生する技術です。
ターヤン工法の特徴
①施工性:1号、2号マンホールに対して施工が可能。
②耐荷能力:更生マンホールの耐荷能力は、「下水道用鉄筋コンクリート製組立マンホール (JSWAS A-11)」の規格値以上の耐荷能力を有する。
③耐薬品性:更生マンホールは、「下水道用強化プラスチック複合管 (JSWAS K-2)」と同等以上の耐薬品性を有する。
④品質性能:更生マンホールは、日本下水道事業団『下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル平成24年4月』シートライニング工法の品質規格「D種」に適合する品質を有する。
⑤水 密 性:更生マンホールは、0.05 MPa の外水圧に耐える水密性を有する。
ターヤン工法の施工手順
- 準備工
- 前処理工
- 仮設
- プライマー塗布
- 結合板設置
- マンホールライニング材セット
- マンホールライニング材挿入
- 圧力バック反転挿入
- 硬化
- 圧力バック除去
- インバート部切断・仕上
- 充填剤注入
- ステップ取付け
- 施工完了
1.施工現場に安全柵などを設置し、作業スペースを確保する。
2.施工車両・機材を搬入・配置する。
3.マンホール内の酸素濃度および硫化水素などの有毒ガス濃度、可燃性ガス濃度を測定する。必要に応じて換気設備を設置し、安全な作業環境を確保する。
1.高圧洗浄機を使用しマンホール壁面を洗浄する。
2.切断工具を使用し、既設定掛金物を切断・除去する。
1.ステージを設置する。
2.バイパスパイプ付き止水プラグを上流管口に設置し水替えを行う。
1.エボキシプライマーをマンホール内全体に塗布する。
1.結合板をマンホール内壁面にアンカーボルトを使用し設置する。
2.充填材を染み込ませたポリエステルフェルトをインバート部に設置する。
1.圧力バックをトップノズルに取り付ける。
2.マンホールライニング材をトップノズルに取り付ける。
1.トップノズルにセットされたマンホールライニング材をクレーンを使用し、既設マンホールに挿入する。
2.トップノズルをステージに固定する。
1.圧力バックをマンホールライニング材内に水を使用し、反転挿入させる。
2.シャワーホースを圧力バックのエンド部に取付ける。
3.マンホールライニング材内圧を標準硬化圧力(0.04MPa~0.06MPa)までエアー加圧する。
4.昇圧後、ただちに圧力を開放し、反転挿入状況を目視で確認する。
1.シャワーホースをノズルの内側に接続した後、マンホールライニング材を標準硬化圧力まで加圧する。
2.マンホールライニング材内の状況を確認する。
3.ボイラー・ポンプ・温水槽を使用し温水を循環する。
4.マンホールライニング材を標準硬化スケジュールに従い硬化させる。
5.冷却水を循環し、マンホールライニング材を冷却する。
6.マンホールライニング材内をエアー加圧し、冷却水を排水する。
1.マンホールライニング材内部に設置されている圧力バックを除去する。
1.切断工具を使用し、管口およびインバート部を切断する。
2.マンホールライニング材切断部分を管口仕上げ材(エボキシ樹脂パテなど)で仕上げる。
1.充填材注入用の孔をマンホールライニング材内面にあける。
2.止水プラグを充填材が漏れないように設置する。
3.ポンプなどを使用し充填材をマンホールライニング材と既設マンホール壁面の隙間に充填する。
4.充填材硬化後、注入孔の閉塞処理をする。
1.所定の位置にステップを取付ける。
適用範囲
適用人孔:1号円形・2号円形